肌トラブルなんかに負けるもんか!そのⅡアトピーとアレルギーの違いは?
前回のブログ「アトピーなんかに負けるもんか!そのⅠアトピー性皮膚炎とは?」をお読みいただけましたでしょうか?アトピー性皮膚炎に患者さんにとって周りの人の理解がいかに大切かということをおわかりいただけました。しかし、肌トラブルはアトピーだけに限ったことではありません。アレルギーによって引き起こされることもあります。それではアトピーとアレルギーとはどう違うのか?この疑問はけっこう奥が深いように思ったので、気になり調べてみました。実はアトピーとアレルギーは、別々の病気なのです。しかし、重なる部分もあるという複雑な関係にあります。アトピーは体の免疫が関係する場合と、関係しない場合があるのに対しアレルギーは免役が関係しています。具体的にいうとアトピーの免疫が関係する原因には、食物やハウスダウト、花粉などが挙げられます。一方で、アトピーの免疫が関係しない原因には汗や衣類による摩擦、ひっかき傷、柔軟剤、ストレスなどがあります。しかしアレルギーは免役が過剰に反応しておきます。この重なった部分こそが、アトピーなのか、アレルギーなのかの区別を難しくしてしまっています。アトピーやアレルギーという病気は、専門の医師でも判断が難しいということです。
具体的に衣食住の衣の部分の下着についてアトピーの方はどのように対処されているのかをみていきます。下着についてですが、縫い目の部分が肌に接しないように、表面をあえて裏面にして裏表を逆に着用したり、縫い目のない下着で摩擦による肌トラブルを避けておられるということです。それから肌に直接触れる部分にレースなど付いているものも肌トラブルの原因になります。下記のようにアトピーの方は工夫しながら過ごしておられます。
しかし、アトピーとアレルギーの両方の症状が出てくるという場合もあります。先日洋服の問合せをいただいた方から、ご自分のアトピーだけではなくアレルギーによる肌トラブルについての体験のメッセージをいただく機会がありました。その内容は私が想像していたよりはるかに切実な内容でした。「私の場合アトピー以外に食べ物アレルギー、ゴムアレルギーまであり、下着選びも大変です。ハンドメイドでゴムなしブラジャーを購入し、ようやく胸のアンダーのカユカユから開放されましたが、ショーツは未だに、肌とショーツの戦いです。鼠径部(そけいぶ 左右の大腿部の付け根にある溝の内側にある下腹部の三角形状の部分)とショーツのゴムで足の股とウエストは痒みでトビヒができてます。通販でアトピー向けの下着を販売されてるサイトもありますが、ゴムは必ず使用されてるます。コットンでくるんでいても、ゴムが肌にくい込み刺激になり、痒みを誘発します。」という内容でした。ゴムアレルギーはラテックスは天然ゴムに含まれる主成分です。天然ゴムは、Hevea brasiliensisというゴムの木の幹を傷つけて得られた白い樹液で、様々なタンパク質が含まれています。アレルギーの原因になるのは、タンパク質ですから、ゴムの木の樹液に含まれるタンパク質に対して体がIgEを作ることで、アレルギー反応が起こります。これをラテックスアレルギーと呼んでいます。
このように下着というキーワードだけでもこんなにも過酷な状況で、現れる症状もまちまちで、自分で模索しながら対処しなければいけないのが現実です。
今後、私はアトピーやアレルギーに対応できる下着も制作したいと思っています。下着を裏返しにしなくてもそのまま表は表として着用できるショーツ、アレルギーの原因のゴムの入っていないショーツをほんとうに辛い思いから解放されるように少しでもお役に立ちたいと思っています。
素材の点でも上記の通り、使用されている素材が衣類では重要です。素材は綿100%のものが一番だと思います。上質なものとしてはオーガニックコットンやシルクがありますが、やはり高価なので、綿100%であれば十分です。天然素材である麻や、綿素材に少しでもポリエステルが混紡していたりすると、肌トラブルの原因になります。しかしこれらの素材がすべてダメというわけではなく、自分の肌と相談しながら、これなら大丈夫と感じたものを選びましょう。
アトピーとアレルギーが症状が出ている方にとって、衣食住の衣の部分の下着だけでもたいへんなストレスを感じ、それに対処することもままならない現実です。しかし、負けるもんか!という気持ちを持って、前向きに過ごしてほしいです。次回は今の私にできることは何かと考えてみると、アトピーの方からの私への問いに対して答えていくこと、つまりアトピー性皮膚炎の女性の方に安心して着ていただけるような洋服をまず作ることから挑戦してみることにしました。その挑戦内容は次回の「アトピーなんかに負けるもんか!そのⅢ 集まれ❣おしゃれさん❤」https://myroom-anmasako.com/につづく…