女子たちへ 子宮頸がんのない未来図を❣Ⅱ
この子宮頸がんワクチンは現在どのようなものが日本では使用されているのでしょうか。。このワクチンについては先のブログで述べたように若年層を対象に接種するワクチンです。子宮頸がんの原因はHPVという日常ありふれたウイルスで種類は100種類あり、性的接触により感染します。このウイルスに多くの女性は一度は感染しますが、無症状のまま、一過性の感染に終わり、子宮頸がんを発症することはありません。日本では認可されている子宮頸がんワクチンはサーバリックス(GSK)とガーダシル(MSD)の2種類と国内では未承認だった「ガーダシル9」が2020年の承認後「シルガード9」として国内で正式に2021年2月24日に発売されました。この9価ワクチンはHPVに対してほぼ9割予防できると言われています。しかし、小6~高1までの定期接種には9価ワクチンは含まれず自費ということになります。ぜひこのシルガードも無料の定期接種に組み込まれるようになればと思います。
さて私の一番の気がかりは副反応のことです。確かに100%副反応は起きないとは言い切ることはできません。そして今もなおこの副反応に苦しんでいる方がいます。しかし、もしワクチンを接種していれば、間違いなく何人かの命を救うことができたのも事実です。日本では2013年4月に小学6年生~高校1年生相当の女子を対象に接種した少女たちから痛みや発作、失神などの訴えが報告され、厚生労働省は同年6月に「定期接種の積極的勧奨の一時差し控え」を決定した結果、厚労省は副反応を主な判断基準にしてワクチン接種に積極的にはならなかったということが、日本において子宮頸がんの羅患率や死亡率が高くなった原因であると言えます。国としてこのことにたいへん重要な問題があったと認識しなければいけないと思います。ワクチンさえ接種しなければ、確かに副反応は起こらないけれど、そんな安全神話がまかり通る世の中はおかしいです。本来は子宮頸がんワクチンを接種を積極的に推奨して、少しでも国民の命を救うことが国のするべきことではないでしょうか。もし重篤な副反応が起これば国が補償し、それを検証していかなければ、ワクチンの普及などとうていできないのです。国はこの覚悟をもってワクチン接種を行うのは当然あるべき姿です。残念ながら日本では厚労省のあまりにワクチン接種への消極的なイメージが国民のワクチン接種を阻んでいるのです。しかし私たちはさまざまな検証によって示された事実に基づき、おのおの個人が判断し、どちらかに偏ることなく両方に目を傾けるべきです。
そんな中この間、ワクチン自体の安全性の検証も積み重ねられてきました。このことさえ、私は何も知らなかったのです。そんな折、S医師より下記の名古屋スタディのことを教えていただきました。
「ワクチン接種後に生じた症状とワクチンの影響」を国内で検証したものとして、子宮頸がんワクチンの被害者連絡会が要望して名古屋市が調査を行った2015年の「名古屋スタディ」があります。
名古屋市の小学6年生から高校3年生のうち、ワクチンを打った少女と打たなかった少女計約7万人に「月経不順」「関節や身体が痛む」「身体が自分の意思に反して動く」など、被害者連絡会が提示した24すべての症状を調査し、得られた3万人のデータを解析したものです。その結果、ワクチンを打った少女と打たなかった少女とで、各症状が生じる割合は変わらないことが判明しました。
名古屋スタディで協力された小中高生の皆さんの調査結果は、必ず女子たちの子宮頸がんのない未来のため、大きな貢献をすると信じています。そして私たちはそういう世の中するために努力をしなければならないと思います。
名古屋スタディで子宮頸がんワクチン接種の副反応の因果関係が示されなかったにもかかわらず、未だ厚労省の方向転換の兆しが見えない以上、ワクチンへの不信感が拭えない社会が続くことになります。私達はいつまで不利益を被ったままでいなければならないのでしょうか。私達自身も自ら声をあげることも必要ではないでしょうか。将来の女子たちのために。
次回は子宮頸がんワクチン接種の対象の女子とその保護者がワクチン接種を受けるか受けないかの選択に必要な環境について書いてみたいと思います。
それでは次回「女子たちへ 子宮頸がんがない未来図を❣Ⅲ」https://myroom-anmasako.com/につづく‥‥‥