女性にぜひ読んで欲しいブログⅦ
いよいよ「女性にぜひ読んで欲しいブログ」の最終回を迎えることになった。これまでお読みいただき、心より感謝したい。このブログ「anmasakoわたしの部屋」では、私目線で発信しているので、今回のこの「女性にぜひ読んで欲しいブログ」もあくまでも私の見解であり、誤解や誤りがあればお許し願いたい。
最終回を迎えるにあたって、まず、大津赤十字病院の入院中私にかかわっていただいた、医師、看護師、その他関係者の方々に心より御礼申し上げたい。そして石山のTレディースクリニックの医師、その他の関係者の方々にも心より御礼申し上げたい。今こうして、安心し穏やかに暮らせていることに深く感謝申し上げたい。
6月10日にレディースクリニックを受診してから、いろんな方と係わりながら9月2日に無事日赤を退院することができた。いろいろな検査、手術を重ねて最終的に判明したのは私の疾患は卵巣がんだった。私の卵巣がんは境界悪性腫瘍と呼ばれ、卵巣がんよりも進行が遅く、悪性度も比較的低いものも存在する。しかし卵巣がんがゆっくり進行しても、初期の段階では自覚症状がほとんどないため、私の場合でも気付いた頃には病状は進んでいるということになる。たぶん今回この段階で見つかったということは、ほんとうにラッキーだった。禍を転じて福と為すである。現在では2人に1人ががんになる時代、だれでもがその可能性秘めている。
今、改めて思うのは、女性は自分の命を守るためには必ず婦人科の検診を受けてほしいというひとことにつきる。子宮頸がん検診、乳がん検診のように市町村の助成があるものがあり、子宮体がん検診はそういった助成はない。独身で一生過ごす女性が増える傾向にある昨今、特に子宮体がんはますます増えることは間違いない。今後、子宮体がんについても市町村の助成の対象とするべきである。不正出血があれば、必ずできるだけ早く婦人科を受診し、仮にがんに罹患していても早期に発見できる。今回私の卵巣がんに至るまでのきっかけは不正出血からだった。何度もこれまでのブログで書いてきた通り、そう簡単に卵巣がんまではたどりつけなかった。
1度目の手術は子宮内搔爬手術と子宮鏡検査で子宮内腫瘍は良性であった。この手術の後、エコー検査でS医師に病魔の影を見つけてもらい、2度目の手術に繋がることになった。子宮内搔爬手術は子宮内膜増殖症のための手術であり、子宮鏡手術は私が子宮内膜増殖症であったから、子宮体がんの可能性があるので同時に行われた。2度目の手術は子宮腫瘍(悪性も良性もあり)もたくさんできていて、子宮平滑筋肉腫の疑いで子宮、卵巣、卵管の全摘開腹手術となった。
1回目の手術後のエコー検査にて、腹腔内に新たな腫瘍がみつかり、MR検査でがんの可能性があると診断された。この腫瘍がたぶん子宮の平滑筋にて発生している可能性があるので子宮平滑筋肉腫が疑われ手術に至ったと思われる。しかし、手術をしてこの肉腫と思われていたものが、本来ならばあるべき位置ではなくまったく異なる子宮の上に移動して載っていた卵巣だということが明らかになった。そしてこれが卵巣がんだったということである。それでS医師は手術後「手術前の判断とは違っていて、卵巣が子宮の上にのっていて、その卵巣ががんだった」のこの発言になったのだ。
婦人科では私の事例もあるように、術前検査では正確な診断がつきにくく、この原因は卵巣腫瘍は多彩なパターンを示したり、卵巣は腫瘍などにより大きくなると正常な位置ではなく異なる位置にあったりすることがあるということで、婦人科は他の科と比べると術前検査と異なることが多いということが考えられるとS医師は言う。婦人科の医師は疾患の捉え方も多様性が必要なんだと思った。
以前、筋腫の大きさの変化についてF医師とS医師が話されていたことが今回の手術と何か関係あるのかと思ったのですが、筋腫が大きくなることががんの特徴の一つなので、子宮がんの可能性も考えられるということで話されていたようでした。素人の私がこんなこと詮索する必要はないが、私は疑問に思う事があれば、必ずその先にある真実を知りたいのでつい追及したくなるのである。
2度の手術により、やっと病魔を明らかにできたのはS医師が根気強く検査をして、病魔のシグナルを見落とさず、沈黙の臓器である卵巣がんが早期に発見に繋がったからである。もし私がこのまま卵巣がんに気づかずにいたらと思うと、何度も言うが、ほんとうに恐ろしいことになっていたかもしれない。もし子宮内搔爬手術の時、ポリープの病理検査だけで異常なしとされていたらと思うと恐ろしいことである。
卵巣がんはこの日本でも1万人の罹患数に対して、半数近くの人が亡くなっているということで、早期発見が非常にむつかしく、症状が出たときは三期にまで進んでいることから、死亡率も高い。私の場合、卵巣がんの早期発見につながる最初はまず不正出血があり婦人科を受診したことからだ。女性特有の疾患は命につながることもあるので、わずかな兆候であっても受診すべきだと強く思う。
9月29日、退院後初めて診察に行った。診察室に入ると、一番にS医師は「退院の日に忙しくて、病室に行った時は、Mさんはもう帰っていた」と、それを聞き改めて誠実な人だと思った。そして直接S医師にお礼を言うことができ、やっと肩の荷が降りた。内診で特に異常はなく、膀胱に違和感があるかもしれないということだった。確かに膀胱に違和感があるように思う。2日前の夜、夕食後ににぎゅうとした冷や汗がでるくらいの強烈な腹痛があり、その日は痛みを我慢し半沢直樹のテレビ番組を見終わってもう辛抱できず寝ることにした。しかし、次の日の昼過ぎより痛みがひどくなり、退院後はじめて、病院で処方された痛み止めを服用したら徐々に痛みは治まってきた。診察日の4日前に病院で処方された大建中湯がなくなり、そのため痛くなったのかと思ったけれど、手術後に長く服用する薬ではないらしく、大建中湯は続いて処方はしてもらえなかった。私はこの大建中湯がお気に入りだったので、泣く泣くお別れをした。次回の診察は3か月後の12月25日「それではクリスマスにお会いしましょう。」と言って、私は診察室を後にした。
その後10月に入り、またぎゅうとした痛みが2回あり、その時はすかさず痛み止めを服用し、痛みは長引くことはなかった。退院後は手術の傷あとにテープを貼り、傷口のケアーが必要になる。いつまで続ければいいかは個人差もあるが、最低3か月、半年から一年ケアーをするように推奨されているところもある。いつまでケアーを続づけたらいいのか、その判断は私にとってたいへんむつかしい。
手術後は何かとあるけれど、少しずつ手術前のように戻るのだと思う。気長に日々を前向きに過ごそうと思う。
最後に私からのアドバイス。6年前に保険の見直しをして、女性の病気のための医療保険を勧められ、加入したことで、今回の2回の入院費用すべてを十分にカバーすることができた。これから、ますます女性特有のがんの罹患率が高くなる傾向の現在、安心のために備えあれば患いなしということわざもある。一度検討されるのもいいかと思う。
このブログは単に私の経験を綴ったのではなく、私の経験を通じて、女性特有の疾患に対して日頃女性がいかに向きあっていかなくていけないかを考えていただくために発信した。
長らく「女性にぜひ読んでもらいたいブログⅠ~Ⅶ」を読んでいただき心よりありがとうと言いたい。
そして、最後にもう一度言っておきたい。『女性は自分の命を守るためには必ず婦人科の検診を受けましょう!』
それではまた「anmasakoわたしの部屋」でお会いしましょう。
この後、「女性にぜひ読んで欲しいブログ」あとがきhttps://myroom-anmasako.com/に続く‥‥
♥一口メモ♥
大網とは胃の下部から垂れて腸の前面を覆う 脂肪に富んだ薄い膜。胃腸を保護する。
子宮平滑筋肉腫とは、子宮肉腫という子宮体部の筋層に発生する悪性腫瘍です。50歳前後で発症しやすく予後不良な癌です。リンパ節転移は少ないのですが、肺への転移が起こりやすい。この子宮平滑筋肉腫は子宮悪性腫瘍のなかでも比較的まれな疾患であり、悪性かどうか判断はむつかしく、手術して初めてわかる疾患です。