お花見その4 4月3日世界遺産の吉野山を歩く
2年前に満開の桜の奥千本を訪れましたが、今回は下千本、中千本、上千本の桜が満開ということで、吉野山を歩くことにしました。車で出かけ、通常なら吉野山観光駐車場に車をとめることができるのですが、桜の期間は観光バス用に使用されるので、ここに駐車できなくて、中千本の下の駐車場に止めることになりました。ここからの出発で、少しアスファルトの道を歩き、如意輪寺まで整備された山道を歩きます。吉野山は通常のお花見と違うスケールの大きさを感じます。山全体を眺めることであり、その華やかさは桁違いのものです。ソメイヨシノではなく山桜のの素朴さがぴったりの吉野のお山です。ちなみにこの山桜は白山桜といい、その数は約3万本と言われてます。
如意輪寺はこの吉野山を歩く時、何度も通過するお寺でとても身近に感じます。このお寺の本尊は如意輪観音。本堂の背後には、吉野の地で崩御した後醍醐天皇の陵・塔尾陵(とうのおのみささぎ)、世泰親王墓があります。
如意輪寺を通過すると山道となり、すがすがしさを感じながらの歩きは心が弾みます。途中2年前にはなかった木彫りの動物が現われ、ほっこりしました。
この山道にある稚児松地蔵を通過し、上千本エリアに入ります。世界遺産の吉野水分神社までの歩きは吉野山独特の雰囲気に何度来ても感動します。まさしく一目千本のベストポジションです。満開ということで、2年前ここを訪れた時数人の人しかいなかったのに、なんと人がいっぱい。まだ、10時前なのに、なんとみんなお花見弁当を食べているではないか、私達も朝3時から作ったお花見弁当もどきを食べずにはいられません。朝、5時に卵雑炊を食べたので、まあお昼というかおやつというか、ここでのお弁当タイムになりました。ここは吉野山へ訪れる人々のための特別なステージであり、映画のワンシーンのように心に残る場所になるに違いありません。
お腹いっぱいになり、少しゆっくりして、吉野水分神社に向かいます。この道を通ると色鮮やかな桜が民家のお庭に咲いています。するともう吉野水分神社の赤い鳥居が見えます。ここの神社を訪れた時、清楚な中に華やかさのあるたたずまいにすごく魅かれました。でもこう人がいっぱいだと私の魅かれる趣きにしたることはできないので、前回ゆっくり訪れることができたので今回はスルーします。前回来た時の写真をアップしておきます。
さて、吉野水分神社「よしのみくまりじんじゃ」と読めましたか?私は読めないばかりか、聞いても覚えられません。この神社は「みくまり」が「みこもり」に訛化し、子守明神とも言われるようになり、古くから子授けの神として信仰され、関白・豊臣秀吉が訪れて、1593年(文禄2年)に側室・淀殿との間に秀頼(お拾)を授かったとも言われているそうです。
下記は2019年4月に訪れた時、収めた吉野水分神社の写真です。
吉野水分神社を過ぎ、奥千本に向かいます。ここから結構なアスファルトの坂道が続いて、15分ほどすると『高城山展望台』がありますが、ここはスルーです。しばらく歩くと金峰神社の修行門がありこの辺りの標高は約765mほどで、吉野山で最も高い場所になります。ここから少し進むととてもきれいな桜を眺められるスポットがあります。しかし満開には少し早かったので、以前来た時の満開の桜より少し寂しいけれど、ここの場所は奥千本らしい華やかさがあります。
さて少し歩くと金峰神社と義経の隠れ塔金峯神社がありますが、人の多さを避けるためここもスルーです。金峰神社の横に入口がある自然にふれ合える奥千本ハイキングコースを歩きます。
金峯神社のそばにある細い山道を20分ほど歩くと西行法師(平安~鎌倉時代に活躍した歌人)が住んでいたとされる『西行庵』に着きます。西行庵のすぐそばには「奥千本苔清水」という名水が岩の間から流れ落ちています。ここには松尾芭蕉の句碑も建っています。この近辺でおしゃれにコーヒータイムにしたいところですが、私達はお味噌汁タイムです。実は千本桜で食事した時、お味噌汁も作りたかったのですが、倒木の多いところなので、火事になれば危険なので、お味噌汁は残念しました。ということで、ここの広い場所で桜が見えるところで、お味噌汁休憩です。いつどこで食べてもインスタントでも温かいお味噌汁は心をなごませてくれます。
休憩の後、ハイキングコースを進むと、杉を伐採し、桜が植樹されている変わり果てた山の景色に出会います。今は複雑な気持ちですが、あと何年かしたら一目千本のようになる桜の成長を楽しみに待ちましょう。
こうして最後に石畳を下ると、奥千本ハイキングコース一周を歩いたことになります。さあ、これからは下って如意輪寺を通過し駐車場に向かいますが、その途中の景色は言葉では言い表せないくらいの華やかで鮮やかな吉野のお山の醍醐味を感じることができます。どこを切り取っても、見逃せない景色です。
如意輪寺に向かうアスファルトの道からみる景色も目が離せません。途中、ちょっと変わった枝ぶりの「コウヤマキの群落」が見られます。
今日歩いた歩数は23000歩でした。私達のように、歩くのもいいですが、交通機関のバスやロープウェイもあるので、無理しないで自分のペースで吉野山を楽しみしましょう。吉野山を訪れるにはちょっと地理的に不便さはありますが、それ以上の価値はあります。下千本より上がると世界遺産の金峰山寺蔵王堂に立ち寄ることができます。以前吉野山を訪れた時は国宝仁王門大修理が行われていました。金峰山寺は吉野山のシンボルであり、修験道の総本山です。お花見だけでなく、世界遺産の神社仏閣もあり、吉野山は人々の祈りのお山でもあります。機会があればぜひ訪れて、自分なり楽しみ方で吉野山を満喫しましょう。今年はお花見は吉野山で最後になると思います。今年はもうそろそろ桜は散り始めますが、散りゆく桜の花びら一枚ずつに心よりありがとうと言いたいです。
参考資料として私達が使用した吉野山マップは下記になります。
yoshinoyamamitearuki.pdf (yoshino-kankou.jp)
吉野山てくてくマップ|吉野山観光協会 (yoshinoyama-sakura.jp)
それでは、また「anmasakoわたしの部屋」でお会いしましょう。